「とりあえずワイヤーで繋いで、スタートさせよう!」みんなその一言で
もの凄いスピードで、作業にとりかかる!もう他の車はスターティンググリッドに
並んでいる。「ヨシOKダメもとだ!」と誰かが叫ぶと同時にima-gがコントロールタワー
に走り、ピットスタートの申請をする。そしてピットロードの最前列に並んだのが
なんとスタート2分前。ワイヤーで繋いだ傷口がどこまで保つのだろうか?
保ったとしても満足にブーストは掛からないハズ、、、。なにもかもが不利である。
そしてもう一つ心配事が、、、ブレーキがノーマルのままなのである。
前日用意したはずのスペシャルパッドを東京に忘れてきてしまったのだ。
ドライバー曰く、「大丈夫!ブレーキ使わないから、、、」と言ってはいるが、
500キロの長丁場。どこまで保つのやら、、、そしてなんとMr,Blissは
ブレーキの大切さと、ドライバーの安全の為に東京までパッドを取りに
行ってくれている!もう不安だらけだが、今こうしてスタートしようとしているのだ!
そしていよいよスタートチェッカーが!116台のマシンが一斉に1コーナーめがけて
走り出す。その姿を後目に我がコペンはピットロードにてスタートの合図を待つ。
そして最後の車両が1コーナーに向かった時やっとスタートの合図が117台目
いちばんビリっケツのスタートである。不自由だらけの車両だが、スタートして
1コーナーに消えて行く姿をみて、スタッフ一同、一瞬の安堵感が漂う。
しかし、あの状態では、いつピットインしてくるか分からない状況だ。
メカニックをはじめ、ピットクルーは一瞬も気を緩める事は出来ない!
緊張の中のオープニングラップで、コペンが最終コーナーを立ち上がってくるのが
見えた  何っ?